仮ナンバーの取得方法は?

目次
仮ナンバー
仮ナンバーとは
レッカー車を利用して車検が切れた自動車を搬送する場合は、「仮ナンバー」という物が必要だとお伝えしました。ここではこの仮ナンバーについて詳しくご紹介したいと思います。
仮ナンバーは、正式には「臨時運転許可番号標」と呼ばれるもの。車検切れになった自動車が継続して車検を受ける場合にのみ発行されている、仮のナンバープレートのことです。
一般的なナンバープレートとの違いはデザイン。右上から斜めに赤い線が入っているので、一般的なナンバープレートと違うことがひと目でわかります。
この仮ナンバーがない状態で車検切れの自動車を公道で走らせると、道路運送車両法違反となって「違反点数6」「30日間の免許停止」「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」などといった厳しい処罰を受けることになるので、要注意です。
交通違反の点数一覧表(警視庁ウェブサイト)
車検切れに加えて、自動車賠償責任保険(自賠責保険)の有効期限が切れていた場合は、さらに重い処罰がくだります。
また、仮ナンバーにも使用期限があるので忘れないようにしましょう。
仮ナンバーは、問題を解決するために必要最低限の日数しか利用することができません。
「最大5日間まで」となっているので、車検業者などは仮ナンバーを発行するまえにあらかじめ手配しておくことをおすすめします。

仮ナンバーの取得方法
仮ナンバーは、各市区町村の役所や運輸支局に申請することで、取得することができます。
申請に必要な書類などがなければスムーズに発行してもらえない為、あらかじめ確認しておきましょう。
ご自身で申請する場合は、必ず「申請書」「自動車検査証」「自賠責保険証」「免許証」「認印」を持っていきましょう。申請書は申請場所に置かれているので、提出する前に記載事項をしっかりと埋めておきましょう。また、自賠責保険は有効期限が切れていてはいけません。切れている場合は新規加入しなければならないので要注意です。
また、申請するには「申請料」も必要となります。750円かかるので、こちらも忘れずに持っていきましょう。
手続きが完了すると、その場で「仮ナンバープレート」と「臨時運行許可証」がもらえます。
ところで、仮ナンバーの取得は、専門業者に委託することもできます。車検切れの自動車の引取を依頼する業者にお願いすれば、面倒な仮ナンバーの手続きをすべて代行してくれます。
ただし、代行料金は3,000~5,000円程度かかります。
できるかぎり安く済ませたい、という方はご自身で申請しておくのがいいでしょう。
なお、申請を代行する場合は、「自動車検査証」「自賠責保険証」が必要となります。
仮ナンバーの費用
仮ナンバーを取得するためにかかる費用や、「仮ナンバーで走れる車」について解説します。
費用は、役所などで申請する場合は手数料のみの750円です。
一方、専門業者に申請の代行をお願いする場合は手数料とは別に3,000~5,000円程度かかります。
ところで、そもそも仮ナンバーは基本的に車検切れの自動車を車検場まで運ぶためのものです。取り付けて自走したり、レッカー車で牽引してもらったりして運ぶことになります。
車検場まで運ばれることが前提になっているので、有効期限は最大5日間と定められています。
また、車両が適切に車検工場まで搬入される最短で割り出されるものなので、場合によっては2~3日ということもあります。
有効期限を過ぎた仮ナンバーで公道を走行すると、車検切れの車で走行しているのと同じ。当然道路運送車両法違反で罰則を受けることになるので、要注意です。
仮ナンバーは必ず返却する必要があり、期限が切れているとすぐにバレてしまいます。取得する際は、なるべく期限中に車検を受けることができるよう、あらかじめ準備しておく事をお勧めします。
ちなみに、仮ナンバーは普通自動車、軽自動車はもちろん、トラックなどの中型車両などでも許可されており、申請方法も変わりありません。
ただし、商業用車両に関しては一般的な仮ナンバーではなく、業者用の仮ナンバー申請が必要となります。
仮ナンバーの必要書類
仮ナンバーの申請に必要な書類については前項で軽くご紹介しましたが、大切なところなので、ここであらためて詳しくご紹介したいと思います。

まずご自身で仮ナンバーの申請を行う場合は、「申請書」「自賠責保険証」「免許証」「認印」が必要となります。
申請書は、文字通り「仮ナンバーの発行を申請します」という内容の書類です。
すでに紹介したように、各自治体の役所や運輸支局の窓口に置いてあります。
自賠責保険証は原本を用意しておきましょう。仮ナンバーの申請日から1ヶ月以上有効なものでなければ受理されないことがあります。有効期限が切れている、もうすぐ切れそうという場合には、新規加入や継続申請を行っておきましょう。
また、申請を出す役所によっては、自動車検査証などの「仮ナンバーを取得する自動車を確認する書類」が必要となることもあるので、念のために持っていったほうが無難でしょう。
要は自動車について確認できればいいので、自動車検査証以外にも、「抹消登録証明書」「自動車検査証返納証明書」「通関証明書」「メーカー発行の譲渡証明書」などでも代用可能です。
書類に不備がなければ、即日で仮ナンバーが発行されます。
仮ナンバーの種類
一口に仮ナンバーといっても、実は現在、2種類のものが存在しています。2つの仮ナンバーは用途が大きく異なるので、その違いをしっかりと覚えておきましょう。
①臨時運行ナンバー
臨時運行ナンバーというのは、ここで紹介している赤い斜め線が入った仮ナンバーのことです。
車検が切れた自動車が一時的に公道を走行できるようになる一時的なナンバーですが、申請する際には出発地(発車地区)と到着地を指定しておかなければならないので、決して自由に走行できるわけではありません。
また、臨時運行ナンバーで荷物を運ぶことも禁止されているので、トラックなどの大きな車両で仮ナンバーを使用する際は気をつけましょう。
②回送運行ナンバー
回送運行ナンバーは、赤く縁取られたプレートの仮ナンバーを指します。
これは、「自動車運送業登録」をしている企業の社用車のみに発行されるもので、一般の方は取得することができません。
臨時運行ナンバーとは違って使用期限が長いというのが特徴で、1~2年間、仮ナンバーのままで公道を運転することができます。ただし、回送運行ナンバーだったとしても、荷物を運ぶことは許されていません。
仮ナンバーを紛失してしまった場合
仮ナンバーは、申請した当日に手渡しされるものです。
持ち帰るまでにもしなくしてしまったら……どうしますか?
使用期限内には返却しなければなりませんし、仮ナンバーがなければそもそも車検切れの自動車を移動させる事も出来なくなってしまいます。

というわけで、ここでは仮ナンバーを紛失した・盗難されてしまった場合の対処法について紹介します。いざというときの参考にしてみてください。
仮ナンバーを紛失したり、盗難にあったりした場合は、まず申請した役所、運輸支局に連絡します。
次に、警察署に連絡を入れましょう。紛失の場合は「遺失物届」を、盗難の場合は「盗難届」を出すことになります。
警察署で届け出を終えたあとは、申請した役所または運輸支局に出向いて「亡失届」というものを出し、ひとまず行わなければならないことは完了です。
ちなみに亡失届を出す際は、「届け出をした警察署」「届け出の年月日」「受理番号」を記入する必要があるので、警察署で控えておきましょう。
一方、仮ナンバーを紛失した場合には弁償する義務が発生します。代金は地域によって異なりますが、大体相場として1,700円前後となっています。
ちなみに、紛失や盗難以外でわざと仮ナンバーを返却しなかった場合、法律違反で罰せられるので絶対にやめましょう。
仮ナンバーの取り付け方
受け取った仮ナンバーは、自分で取り付ける必要があります。
受け取ってすぐ、速やかに取り付けを済ませて、安全に車検場まで走れるようにしておきましょう。
さて、仮ナンバーの取り付け方ですが、最もおすすめなのは、一般的なナンバープレートと同じく「ボルト留め」することです。
前のプレートは、いったんボトルを外して、もとのプレートと一緒に取りつけます。もとのプレートの上から仮ナンバーのプレートをかぶせるかたちです。後ろは、2つボルトがあるうち1つは外れないようになっているので、外れるほうだけを外し、前と同じように重ねて留めます。片方しか留まらないことになりますが、きつく締めておけば外れる心配はないでしょう。
とはいえ、ナンバープレートの固定方法は特に決められているわけでもありません。
ボルト留めが面倒くさかったりする場合は、ヒモやワイヤーなどを使うこともできます。車両運搬中に仮ナンバーが落ちないように、必ずしっかりと固定しておきましょう。
「外に見えるようにダッシュボードに置いておけばOK」という意見をたまに見ることがありますが、これは厳禁です。立派に道路運送車両法違反にあたります。
正しい方法で安心・安全に車検移動を済ませましょう。
まとめ
さて、ここであらためて仮ナンバーについてまとめてみましょう。
仮ナンバーは、車検が切れている自動車を走行させたり、レッカー車で牽引したりするときに使用する仮のナンバープレートです。
役所や運輸支局などで申請することができますが、そのためには申請書類一式が必要になります。申請する際は必ず申請書類が足りているか、または不備がないかを確認しておきましょう。
また、申請書類で必要な自賠責保険は、有効期限が切れていてはいけません。
申請日からおよそ1ヶ月間は有効でないと申請が受理されないことがあるので気をつけましょう。

申請に必要な金額は大体750円ですが、地域によっても変化します。
また、申請を専門業者に代行することもできますが、その際は3,000~5,000円程度かかります。
仮ナンバーは申請が受理されれば即日受け取ることができますが、紛失したり盗難にあったりした場合は所定の手続きを行って対処しましょう。
紛失すると仮ナンバーを弁償しなければなりません。
仮ナンバーの取り付けは自分自身で行います。
ボルトで取り付ける方法がもっとも安全ですが、固定できるのであればヒモやワイヤーなどでも構いません。
ただし仮ナンバーをダッシュボードに置くだけ、というのは法律に違反してしまうのでやってはいけません。
いかがでしょうか?
これで、仮ナンバーについてはわかっていただけたかと思います。
「これから取得しなきゃ……」という方は、ぜひ参考にしてみてください!